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2013年9月 2日 (月)

アメリカは「内戦の行き詰まり状態」を維持することを目標とすべきだ

8/31にシリア介入についての意見を紹介した。http://qazx.blog.eonet.jp/docdoc/2013/08/post-dfa3.html

米のシリア介入を勧める論者は、米は国際社会が求めている「人道」を理由に介入すべきだと言うものだ。

しかし、このよう議論からは、米の国益は守れないだろう。むしろ介入に反対している議論の方に理があるように思う。それは以下のようなものだ。

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それでもアメリカのシリア介入は愚かな選択肢だ byスティーブン・ウォルト
http://www.nytimes.com/roomfordebate/2013/08/26/is-an-attack-on-syria-justified/type-of-weapons-assad-uses-shouldnt-affect-us-policy

この数十年間に、アサドの軍隊は通常兵器を使って数千人を殺している。ここでアサド軍が敵をどのような武器を使って例えばサリンを使って殺したというのは問題なのだろうか?

化学兵器を使わないという国際法を守らせるためにアメリカは介入すべきだと論じる人がいる。

サリンの使用は確かに国際法で禁じられている。しかしサリンは本物の「大量破壊兵器」ではない。なぜなら、取扱いが難しい上に、高燃焼の火薬よりも殺傷力が弱いからだ。

我々は国際法を守らすために、それ以上の殺傷力を持つ兵器を使うという矛盾した行為を実行することになる。

それに今日の最も強力な反乱グループはジハード原理主義者であり、われわれがダマスカスで最も権力を握ってほしくない人々であることを忘れてはならない。

それはアサド政権の軍隊がどのような兵器を使ったかには関係ない。

軍事力は、アメリカの重大な権益を守るために使われるべきだ。シリア政府軍による化学兵器の使用に対しても、この事実を変えることはできない。

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そしていよいよ以前にも紹介したことのある世界的に著名な戦略家が「米はシリア内戦に介入すべきではない」との意見を書いた。

要約すると以下のようなものだ。

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アサド氏の勝利はイランのシーア派とヘズボラの権力と威光を劇的に認めさせることになり、スンニ派のアラブ諸国やイスラエルにとって直接的な脅威となり、大災害になる。

ところが反政府側の勝利も、ジハード原理主義者たちが、シリアにおける最も強力な兵力になることを意味する。

これはアメリカやヨーロッパ・中東の多くの同盟国にとっても極めて危険である。彼らがアメリカに対して敵対的な政府を作ることになるのはほぼ確実だからだ。

このような状況を踏まえると、どちらかの勢力が決定的な結果を出すことも、アメリカにとっては許容できないことになる。

イランが支援したアサド政権の復活は、中東においてイランの権力と立場を上げることになるし、原理主義者が支配している反政府勢力の勝利は、アルカイダのテロの波を新たに発生させることになるのだ。

よって、アメリカにとって望ましいと思える結末は「勝負のつかない引き分け」である。アメリカは「行き詰まり状態」を維持することを目標とすべきだ。

そしてこれを達成する唯一の方法は、アサド側の軍隊が勝ちそうになったら反政府勢力に武器を渡し、もし反政府勢力側が勝利しそうになったら武器の供給を止めるということだ。

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以下少々編集してお目に掛ける。

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13 :日出づる処の名無し:2013/09/01(日) 21:05:41.67 ID:3QcTwvH9

どちらが勝ってもアメリカはシリアで敗北する byエドワード・ルトワック
http://www.nytimes.com/2013/08/25/opinion/sunday/in-syria-america-loses-if-either-side-wins.html?_r=0

先週の水曜日(8月21日)のニュースでは、シリアの首都ダマスカスの郊外で化学兵器が使われたことが報じられた。

人権活動家によれば、これによって数百人の民間人が殺害されたということであり、エジプトの危機のほうが悪化しているにもかかわらず、シリアの内戦がアメリカ政府の関心を引きはじめた。

しかし、オバマ政権はシリアの内戦に介入してはならない。なぜならこの内戦では、そのどちらの側が勝ったとしても、アメリカにとっては望ましくない結果を引き起こすことになるからだ。

現時点では、アメリカの権益にダメージを与えない唯一の選択肢は、「長期的な行き詰まり状態」である。

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実際のところ、もしシリアのアサド政権が反政府活動を完全に制圧して国の支配権を取り戻して秩序を回復してしまえば、これは大災害になる。

アサド氏の勝利はイランのシーア派とヘズボラの権力と威光を劇的に認めさせることになり、スンニ派のアラブ諸国や、レバノンとの近さのおかげで、イスラエルにとって直接的な脅威となる。

カギを握っているのは、イランからの資金や武器、そして兵員たちやヘズボラの兵士たちだ。

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ところが反政府勢力側の勝利も、アメリカやヨーロッパ・中東の多くの同盟国にとっても極めて危険である。

その理由は、原理主義グループたち(そのうちの幾つかはアルカイダだと指摘されている)が、シリアにおける最も強力な兵力になるからだ。

もしこれらの反政府勢力が勝利するようなことになれば、彼らがアメリカに対して敵対的な政府を作ることになるのはほぼ確実だ。

さらにいえば、イスラエルはその北側の国境の向こうのシリアにおいてジハード主義者たちが勝利したとなれば、平穏でいられるわけがない。

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反政府運動が二年前に始まった時点では、このような状況になるとは思えなかった。当時はシリア全体が、アサド政権の独裁状態を終わらせようとしていたように見えたからだ。

その頃は穏健派がアサド政権にとって代わることも現実としてありえる感じであった。なぜならそのような考え方をもつ人々が国の大半を占めていたからだ。

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また、戦闘がここまで長引くことも考えられなかった。長い国境線を接している隣国で、はるかに巨大な国で強力な陸軍を持つトルコが、その力を使って介入してくることも考えられたからだ。

実際に2011年の半ばにシリアで内戦がはじまると、トルコのエルドアン首相はすぐにその内戦を終結させるようシリアに要求している。

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ところがアサド政権の報道官はそれに屈する代わりにエルドアン首相をバカにする発言を行い、軍はトルコの戦闘機を撃ち落とすという行動をとったのだ。

さらにそれまでにトルコ領内に繰り返し砲撃を行っており、トルコとの国境では車に爆弾をしかけて爆破させている。

ところが驚くべきことに、トルコ側からは何も復讐はなかった。その理由は、トルコ領内に大規模な少数派民族がいて火種をかかえており、彼らは政府を信用していないだけでなく、トルコ軍も信用していないからだ。

そういうわけで、トルコは権力を行使するどころか、むしろ機能停止状態であり、エルドアン首相はシリア内戦をすぐそばで眺める、単なる傍観者にしか成れていないのだ。

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結果として、アメリカはトルコが支援した反政府勢力に対して武器や情報提供、それに助言を行うことができず、シリアは無政府的な暴力による混乱に陥ることになったのだ。

内戦は小さな軍閥やあらゆる種類の危険な原理主義者によって闘われている。

たとえばタリバン式のサラフィー派の狂信主義者は、熱心なスンニ派まで殺害しているのだが、これは彼らがスンニ派の異質なやり方をマネすることができなかったからだ。

スンニ派の原理主義者たちは無実のアラウィー派やキリスト教徒を殺しているのだが、その理由は単に彼らの宗教が違うからだ。

そして世界中からのジハード主義者たちは、シリアをアメリカやヨーロッパに対するグローバルなジハード運動の拠点にすることを宣伝している。

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このような悪化する状況を踏まえると、どちらかの勢力が決定的な結果を出すことも、アメリカにとっては許容できないことになる。

イランが支援したアサド政権の復活は、中東においてイランの権力と立場を上げることになるし、原理主義者が支配している反政府勢力の勝利は、アルカイダのテロの波を新たに発生させることになるのだ。

よって、アメリカにとって望ましいと思える結末は「勝負のつかない引き分け」である。

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アサドの軍隊を拘束し、イランとヘズボラの同盟をアルカイダと共闘している原理主義の戦闘員たちとの戦争に引きこませておく事によって、ワシントンは四つの敵を互いに戦争をしている状態におく事になり、アメリカやアメリカの同盟国たちへ攻撃を行うことを防げるのだ。

これが現在の最適な選択なのだが、これは不運であると同時に、悲劇でもある。しかしこれを選択することは、シリアの人々にとって残酷な仕打ちになるというわけではない。

なぜならそれらの多くが全く同じ状態に直面しているからだ。

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非スンニ派のシリア人は、もし反政府勢力が勝てば社会的な排除か虐殺に直面することになるし、非原理主義のスンニ派の多数派の人々は、もしアサド側が勝てば新たな政治的抑圧に直面するのだ。

そして反政府勢力が勝てば、穏健なスンニ派は原理主義的な支配者たちによって政治的に排除され、国内には激しい禁止条項が次々と制定されることになる。

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アメリカは「行き詰まり状態」を維持することを目標とすべきだ。

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そしてこれを達成する唯一の方法は、アサド側の軍隊が勝ちそうになったら反政府勢力に武器を渡し、もし反政府勢力側が勝利しそうになったら武器の供給を止めるということだ。

この戦略は、実はこれまでのオバマ政権が採用してきた政策である。

オバマ大統領の慎重な姿勢を「皮肉な消極的態度だ」として非難している人々は、その対案を示すべきであろう。

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アメリカが全力で介入して、アサド政権をとそれに対抗している原理主義者たちをどちらも倒すということだろうか?

こうなるとアメリカはシリアを占領することになるが、現在アメリカ国内でこのような費用の掛かる中東での軍事的な冒険を支持する人はほとんどいないだろう。

どちらか一方にとって決定的な動きをすることは、アメリカを危険に晒すことになる。

現段階では「行き詰まり状態」が唯一残された実行可能な選択肢なのだ。

2009年3月11日 (水)

金権一掃

日本の大手メディアが、ネット時代になって評価を大きく下げている。その大きな原因は、情報の誤報・捏造にある。もちろん人は間違うものだ。失敗することがある。悪意がない限り、誤りを訂正しそれを繰り返さないようにすればよい。

ネット住人が手に入れた武器は、ネット上の情報だ。世界中の情報が比較的簡単に手に入れられるようになった。今までメディアが独占してきた政府発表の一次情報も簡単に手に入れられるようになった。これによって、メディアの情報を吟味することが可能になったのだ。

そしてこれまで日本メディアが発信してきた情報についても吟味され、誤報・捏造の存在が明らかになり、しかもそれが訂正されていないことが判明し、そのために日本の既存メディアは価値を落とし続けているのである。

もちろんネット情報が全て正しい訳ではないし、そのようなことはありえない。繰り返すが、人は誤り失敗するものだからである。今回の小沢民主党代表の政治資金規正法違反容疑についての報道に対して、既成メディアの報道は、まさにゴミ報道としか言いようがない。

「小沢代表の秘書逮捕」については、恐らく大多数の日本国民は、以下のような意見を持っているのではなかろうか。それを書こうとしないメディアは、もうマスゴミと呼ばれても仕方のない存在だといえよう。一部変更してお目に掛ける。

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旧田中派金権政治の一掃                                                                                 http://argument.blog.eonet.jp/blog/2009/03/post-1189.html#comments

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西松建設の政治献金問題で民主党小沢代表の秘書が逮捕された。自民党二階氏へも捜査の手が伸びているが、表現としては「自民党への飛び火」ではなく「小沢氏の仲間への類焼」が近いと思う。

もともと二階氏は、小沢代表が自民党を離党する際に行動を共にし、自由党まで小沢代表に従っていて、田中角栄氏から始まる金権政治の流れを汲んでいる「小沢氏の仲間」とみられる人物である。

二階氏が、小沢氏と同じ西松関連の政治団体から金を受け取っているのだから、次が二階氏だというのは、端から自明だと思われる。検察の捜査に何らかの意思があるのだとすれば、旧田中派の金権政治を潰すということだと思います。

ネットでの発言を見てみると、今回の小沢代表の秘書逮捕を肯定的に捉えている方々は、自民党にも捜査が及ぶことを当然の事ととらえていて、その方々は金権政治の一掃を望んでいる。

ネットをしない方々はどう見ているか。恐らく「やはり小沢は旧田中派の金権を引き継いでいたのか」であろうかと思います。その方々は小沢氏の次が二階氏だったことで、納得しているのではないだろうか。

つまり国民が最も知りたいのは、小沢代表がシロかクロかということであり、国民が望んでいるのは、小沢代表があくまでシロと主張するのであれば、本人がしっかり国民を納得させる説明をせよということである。

これに対し、民主党はどうかというと、相変わらず「国策捜査」「陰謀」を主張していて、マスコミもそれに乗っかっている。「国策捜査」「陰謀」と騒いでも、多くの国民は聞く耳を持たない。逆に、「国策捜査」「陰謀」と騒げば騒ぐほど「小沢はクロ」と国民に思わせることとなる。

民主党は漆間官房副長官への追及では飽き足らず検事総長を国会に参考人招致しようとしている。これこそ政党による検察への圧力なのだが・・・・。今、国民に説明を求められているのは、漆間氏よりも、検事総長よりも小沢代表である。

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金権が何故いけないかと言うと、西松建設に見られるように、賄賂の付けを結局は税金、つまり国民の懐に手を突っ込むということになっているからである。賄賂分だけ高いダムを作っていることになる。

それ以上に国民に不都合なことは、外国の金がもし動いているとすると、外国の意思によって日本の国政が左右されてしまうということになり、日本国民はそれこそ外国の奴隷になってしまう可能性があるということになる。金権とはかくも恐ろしいことなのである。

2008年7月16日 (水)

欧州も不景気

欧州の経済状況がどうなっているのか、テレビや新聞の報道が無い。ユーロ高を伝え、あたかも経済が絶好調であるかのような報道振りなのだ。ところがどうやら現状は、違っているらしい。

以下の記事は、 スペイン(西)経済が崩壊しかかっており、欧州に不況 が忍び寄っているというのだ。「今日の覚書」さんから一部変更してお目に掛ける。http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/b83e6f982a9a43fbbd806e7a6bd33c2a

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Telegraph (UK) / 2008-07-15 19:17:25
Recession looms as Spain crumbles
(スペインが崩壊する中で忍び寄る不況)
By Ambrose Evans-Pritchard
Telegraph:15/07/2008
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米経済は、米住宅抵当権産業の激震によって、不況風が吹き始めているが、ユーロ経済圏は、米よりも更に深い不況の底へと落ち込みつつある。統一通貨発足以来初めての、全面的不況に、既に陥っているかもしれない。

欧州統計局の最新の資料によると、欧州経済通貨統合圏の5月の工業生産高は1.9%落ち込んだ。1992年の為替レート危機以来、この地域にとって最悪の下げだ。独政府当局者は、輸出受注が減ってきているので第2四半期の独経済は最大で1.5%縮小するかもしれない、と警告している。

伊とギリシャの工業生産高は一年間で6.6%も落ち込んだ。ポルトガルも6.2%落ち込んでいる。「おぞましい光景だ…我々は最高の警戒態勢にある」と伊経済団体コンフインダストリア代表エンマ・マルセガリアルは言った。

伊政府は現在、大規模な産業基盤整備を通じて経済を復活させる「新政策」を求めて政治活動を行っている。EU諸国がマーストリヒト条約によって課されている予算赤字上限3%をすり抜けられるように、欧州投資銀行が発行する債券を利用しようというのだ。

英中銀の欧州専門官Jacques Caillouxは、丁度ドットコム泡が弾けた後のように、欧州が米よりも悲惨な目に遭う中で「逆結合」が現在進行中だと語った。「全面的に勢いが殺がれていて、不況を否定することは無理だ」

現在、西はフランコ独裁政権以来最悪の危機へと真っ逆さまだ。BNPパリバの西専門官Dominic Bryantによると「西経済は絶体絶命状態」であるらしい。 「単純な話だ、住宅建設業者の一部はもう倒産している。西経済の10%以上が住宅だったんだよ。米のバブルの絶頂期でも6-7%だったのだから、それと比べれば、調整は巨大なものになる」と。

7月14日、開発業者Martina-Fadesa社の株価が2日間で50%以上も暴落し、マドリッド証券取引所によって取引停止にされてしまい、西不動産業界を震撼させた。この不動産・商店街会社は51億ユーロ相当の債務を借り換え出来なかったのだ。役員会は同日緊急会議を開いた。

ペドロ・ソルベス財務相は、同社の危機は「より複雑」に成りつつあると述べたが、不動産業界全体が将棋倒しになる危険は否定した。最も関与していた銀行は人民銀行のようだ。

西不動産市場を飲み込んだ危機は、全面的な国家的危機へと急速に変身しつつある。開発業者の協会APCEは、住宅価格は既に9月以来15%も下ってしまったと伝えている。失業者は一年間で42万5千人も増加し、失業率は9.9%に達した。

独銀行は不動産危機は1990年代当初の破綻よりももっと深刻だと述べた。市場が物凄い量の在庫を処理するのに手間取っており、2011年までに住宅価格下落率は35%になるだろう、と同行は予想している。現在在庫は70万軒近いと見積もられている。

ドン・キホーテの里、カスティリャ・ラ・マンチャでは、この3年間に建てられた住宅のおよそ69%が売れ残っている。

西のホセ・ルイ・ザパテロ首相は、欧州中銀が先週利上げし、にっちもさっちも行かないくらい事態を悪化させた、と欧州中銀を責めている。彼は欧州中銀のやり方を「無責任」と呼んだ。西では住宅債の98%以上が変動金利型であり、ユーロ金利と連動しており、8月以来145bpも上がってしまったのだ。

ザパテロ氏は痛みを和らげようとしてGDPの1.5%に相当する財政出動という策に出た。が、スペインの予算黒字も、税収が減っているので赤字転換中である。例えば、5月は車の売上が31%も減ってしまった。西銀行は、住宅抵当権市場への関与が激しいので、小型の地方銀行の経営状態を心配している。ジョセ・ビナルス副総裁は銀行にもっと不良債権処理をするよう呼びかけている。「この状況に自信をもって対峙するためには、周到な対策が必要だ。一年間を通じて引当金を上げ続けるべきだ」と彼は言った。

欧州で現在進行中の急激な経済状態の悪化も、未だ投資家からユーロへの愛を奪っていない。が、大手債券基金ピムコ代表ビル・グロスを含む多くの分析官によると、ユーロがドルに対して25-30%も過剰評価される理由は微塵もないという。BNPパリバは「ユーロについては益々弱気が広がっている」と言っている。

反論。
米はこの春に一回財政出動をしたが、それは将来の成長を前借してしまったに過ぎない。今年中に阿鼻叫喚の危機第2楽章が始まって、連銀に金利を1%かそれ以下にまで下げさせるであろう、とドル弱気派は予言している。

ゴールドマン・サックス曰く、ヨーロッパは全地球経済の「タイ・ブレーカー」だ。

2008年7月15日 (火)

米連銀が動いた

米連銀が、ファニー・メイとフレディー・マック のいわゆる抵当権会社の救済に動き出したのだという。そうしないと、株や債券の下落傾向を阻止できない状況になっているということだ。「今日の覚書」さんから引用させていただく。
 http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/d03b3783ed0a0bcdd1d0c23bbc492e79

Guardian (UK)2008-07-14 18:26:32

苦境の真っ只中にあるファニー・メイとフレディー・マックが数十億ドル相当の抵当権債務の不履行を阻止しようとする必死の試みの中、米政府は7月13日夜、両社の財務を強化すべく動いた。

ポールソン財務長官は、今後2年間、政府に両社の株式購入と膨張する債務保証を許可する計画を支援するよう連邦議会に要請した。

計画は、政府が議会に政府の借入上限引き上げを求めるものだ。また神経質な市場を安心させるため、連銀に、両者に合わせて5兆ドル以上の抵当権を貸し付けるか保証することによって、資本の備えを増やさせる権威を与えることも求めている。

両社の債務は同業他社のそれを大きく上回る。ファニー・メイはおよそ8,000億ドル、そしてフレディー・マックはおよそ7,400億ドルもの債務を抱えている。両社で米抵当権市場の50%以上を占めているのだ。

7月14日、ファニー・メイは、30億ドル相当の短期債売出しを実施する予定だった。週末、財務省当局者はいつものように入札するようウォール街の銀行に電話をかけた。しかし、その反応の悪さに失望し、政府に救済策を素早く前倒しにするよう要請したのだと理解されている。

7月11日、金曜日、両社は支払い不能の噂を否定するため、25年ぶり最悪の下落住宅市場を乗り越えられるに十分な資本を有している、と強調しなければならなかった。

どちらか一社でも破綻すれば既に脆弱になっている経済や銀行制度に重大な被害を及ぼす。そのため、ジョージ・ブッシュもポールソンも両社の支援に動いたのだ。両社は破綻させるには大き過ぎる。株価は先週も再び大暴落し、現在は一年前とは比べようのない安さになっている。

もう一つの大手抵当権貸付業者インディー・マックは、狼狽した投資家が金を引き出そうとカリフォルニアの銀行に列を作ったので、金曜日に米監督機関に差し押さえられた。この破綻は米史上三番目に大きな破綻であり、カリフォルニアがこの2年間米国内のどの州よりも酷い住宅価格の下落に苦しめられた末の出来事だった。

この陰鬱な状況に加えて、シティグループが今週行う第二四半期決算では、保有抵当権債の80億ドル相当の評価損が公表されると予想されている。一方のメリルリンチは40億ドルの評価損を公表すると予想されている。

英・米の住宅市場はこれまでにないほど不安定な様相を呈しており、不況懸念が株価を暴落させている。金曜日には2005年10月以来最低レベルで取引を終了した後、FTSE100は時価総額を2.7%も喪失した。今では昨年のピークと比べて20%以上も下げており、株式市場はまた怒涛の一週間になると予想される。

住宅市場の低迷が、米経済を不況に引きずり込むのを阻止しようと、連銀は昨年金利を5.25%から2%にまで下げた。この数週間、経済は最悪の時を脱したかもしれないとの憶測が出ている。これは連銀に物価高対策で利上げ開始を許すことになる。しかし新たな信用危機が、しかも壊滅的な状況になっているので、その噂もこれで終わりだ。

民主党のバラク・オバマ大統領候補は週末、米国が「不況に突入したことはほとんど疑いようもない」と語ったが、フレディー・マックとファニー・メイを救済することについては慎重な口ぶりだった。「両社は米人が持ち家を買えるようにするために重大な役割を果たしている」「また、私は政府による幾つかの賢明な措置で、この状況を安定化させられるだろうと確信している」と彼は言った。

英金融市場も厳しい一週間に直面している。7月14日公表される6月の工場出荷価格は、エネルギーと食品の価格が上昇しているため、経費は上昇しており、更なる上昇圧力がかかっていることを示しそうだ。5月は生産者価格が9%上昇したが、これは1986年に記録が採られ始めて以来最高だった。

Fannie Mae and Freddie Mac: Fed launches rescue plan for stricken mortgage firms (ファニー・メイとフレディー・マック:FRB、苦境のモーゲージ会社救済策始動)
Ashley Seager and Phillip Inman
The Guardian:July 14, 2008

・ Government to buy shares and nderwrite debt(政府、株式購入&債務保証)
・ Critical time for banks, markets and economies(銀行・市場・経済にとって重要な時)

2008年7月14日 (月)

歴史始まって以来の事態

昨日は世界中の投資家が、米格付会社を信用しなくなり、膨大な資金が、アテもなくさまよう状況になっていると書いた。中には、以前にも言及したように、人民元の切り上げを狙って共産支那に雪崩れ込んでいるものもある。しかし多くが商品市場に流れ込み、原油や食料や資源の価格を吊り上げている。

この投資機会の消失状況は、クー氏によると歴史上始まって以来の事態なのだという。通常世界的に物価が上がらない状態が続くと、大きな投資案件が計画実行されることが多かった。実際共産支那や東欧の世界経済への参入以来、1990年代から2006年にかけて物価は、上がる気配さえなかった。

かつてのデフレ状況下では、スエズ運河、パナマ運河、送電設備、上下水道ガス設備、電話設備などが計画され実行されたものだ。つい最近では、米国の光通信設備。これなどは、米不況下に開始され、必要量の10倍以上もの光設備が全米に張り巡らされ、その結果泡となり破裂した。

米国は、IT泡破裂以後、どうやらその資本主義の精神を見失ってしまったように見える。1989年の日本泡崩壊によって日本が、苦しみのた打ち回っているときに、現在の連銀議長であるバーナンキ氏は、日銀のやり方が気に食わなかったと見えて「日銀はトマトケチャップでも買えば景気はよくなる」と言い、前議長のグリーンスパン氏は「ヘリコプターから紙幣をばら撒けばよい」などと、無責任な意見を述べていたのだ。

IT泡崩壊以後の米国のやり方は、資本主義が、資本の蓄積と言う手順を踏むことによって成り立っているという要点を忘れているようなのだ。その重要な手順を飛ばして、無から一挙に利益を得るという、いわばユダヤ商法に傾倒しだしたように思える。連銀議長は、貯蓄を悪のように発言している。

9.11は実に不可解な事件である。第7ビルという、現政権が主張するアルカイダから何の攻撃も受けていないビルが、貿易中心ビルと同じ崩壊の仕方をし、しかも崩壊前に「崩壊した」というテレビ報道がなされていたのだ。また歴史は火災によるビル崩壊が絶無であることを示している。つまりよく言われているように9.11は、人為的になされたものだと想像できる。

この9.11を契機に、米はイラク戦争に介入する。3000人もの生命を一挙に奪うような、9.11惨劇を計画し、戦争を開始した。その戦争に既に3兆ドル以上も出費している。それだけあれば何でもできるような額だ。9.11や戦争の理由については、米国民には何の説明もされていない。惨劇の演出は本当に必要だったのか、そしてイラク戦争は必要だったのか。

もしこの戦争によって現在世界経済を破綻の縁に追いやっている、米住宅価格下落を食い止めるつもりであったのなら、それは完璧に失敗したといえる。世界で起きることには、全て理由があると言われている。小生には、この事態は、ニセ資本主義者を駆逐するために計画された、余りにも被害の大きいお粗末な寸劇に思える。余りにも高く付いたその経費を負担するのは一体誰なのか。

2008年7月13日 (日)

格付けを信用できなくなった投機資金の行方

「米債券市場の異変」より一部変更要約してお目に掛ける。http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/200712.htm

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日本の住宅供給公社に相当する機関が米国にもある。日本の場合は、良質の住宅を供給するための公的金融機関なので、担保となる住宅の条件が決まっていて、該当しなければ、そこからカネを借りることは出来ない。しかも、全額返済が求められる。

米国にある機関は、民営の会社組織である。ファニーメイとフレディマックの2社が知られており、住宅を担保にカネを貸している。ファニーメイとフレディマックをあわせて米国全体の住宅貸付の70%に関与している。

ところが、米国の住宅担保貸付は、担保限定債であり、客は担保である住宅を放棄すれば借金から解放される。住宅価格が上昇している状態では、これでも十分機能していたのであるが、ここの所の不況のため、返済できない借り手が増え、彼等は次々と住宅を放棄し、借金から自由になっている。

住宅価格の下落傾向は、先が見えない状況になっており、これら2社は、抱え込んだ多くの住宅を売ることが出来ないでいる。これでは2社が業績悪化し、破綻しかかっていると考えられてもおかしくない。実際そう考える人が多くなって、信用不安が起き出している。

両社の債権発行額は1.6兆ドル強だ。米国の国債発行額が4.7兆なので、その3割強を占める。この2社は、ほかに証券化商品を約5兆ドル分発売している。この証券は、米国債と同等の信用があると見なされていたため、日本の投信の多くにも組み込まれている。

もし2社が破綻し債務不履行となれば、その額は、500兆円を超える。世界経済に与える影響は、小さいはずが無い。ニューヨーク・タイムズは、早速、米政府が2社を国有化する検討を始めたと報道したが、それをポールソン米財務長官は否定した。

このポールソン長官の声明で、NY証券取引所は大幅に下落しだした。米国債と米政府債でもある両社の債権が売り浴びせられているのだ。国債は売られると利回りが上昇する。2年もの国債利回りは前日比21bp上昇し2.61%となり、10年もの国債利回りは17bp上昇して3.96%になった。

2社の救済には多額の米国債発行が必要になるのだが、米国債から投資家たちが逃げている現状では、2社救済どころではなくて、米国経常収支の赤字を埋めている国債の発行もできなくなりだしている。

米国の株式市場規模は、60兆ドルとされている。この株が下落した時に、通常買われていたのが米国債であった。それが、この2社の問題で、米国債市場が不安定になって資金の行き場がなくなることになる。

今のところ行き場を失った資金が、商品市場に流れているものと考えられ、それが原油や食料や資源価格を上昇させているものと考えられる。何しろ商品市場の規模は、約3兆ドルと世界中の投機資金を受け入れるには余りにもその規模が小さすぎるのだ。

それにしても、米国の格付け会社の、格付けほどあてにならないものはなかったということになる。2社は、最高水準の格付けであったのだ。損害を被っている投資家は、もう、格付けなど信用しないだろう。長期金利が世界一低い、つまり最も信用の高い日本国債の格付けが米国以下なのだ。

米格付け会社ムーディーズは、6月30日日本国債の格付けを「Aa3」へ1段階引き上げた。しかもファニーメイとフレディマックの救済を余儀なくされている、米国債の格付けは「AAA」にとどまるという。米政府、特にポールソン財務長官が圧力を掛けているとしか思えない。

しかし、日本国債に海外投資家は目を向ける可能性が高くなっている。どうもサブプライム証券にAAAをつけた米格付け会社の八百長に世界の投資家は気づき始めたようだ。

2008年7月11日 (金)

毎日新聞社に非難の声がさらに増えている

【 毎日新聞社・社員及びその関係者、毎日新聞を購読している方へ 】

 毎日新聞社の社員及びその関係者、毎日新聞を購読している方の当サイトの利用、閲覧、セカンドオピニオンや治療の申し込みをお断りいたします。

 毎日新聞・海外版において、日本の医療関係者特に看護師に関する、猥褻な表現による侮辱記事が何年もわたり報道されていたことがわかりました。
 一連の記事は看護師のみならず日本人女性全体をも侮辱する、あまりにもひどい内容で、到底看過しうることではありません。

 毎日新聞社に対して謝罪と会見を開くように依頼しましたが拒否されたため、以上の処置を行います。
 今後、毎日新聞社から十分な謝罪があるなど何らかの進展があるまで、毎日新聞関係者と読者については当サイトの閲覧やセカンドオピニオンの提供及び診療拒否を通告いたします。

 http://2nd-opinion.jp/           2008年7月 がん患者のあきらめない診察室

朝鮮人になってしまった加藤紘一

自民党の加藤紘一元幹事長が北朝鮮から帰国した拉致被害者5人について 「(北朝鮮に)返した方がよかった」と発言したことに対し、拉致被害者の地村保志さん(53)の父保さん(81)が10日、元幹事長あてに「本当に腹が立つ」などとする抗議文を送った。

抗議文は元幹事長の議員事務所にFAXで送られた。抗議文で保さんは「貴殿はそれでも日本人かと言いたい」と元幹事長の発言に怒りをあらわにしている。


平成14年に保志さんが帰国した当時を「栄養失調寸前の息子たちを見て、北朝鮮には絶対返さないと誓った」などと振り返った上で、現在も拉致被害者が北朝鮮に残されていると指摘。「拉致問題の全面解決のために今まで以上に頑張ってほしいと思っている今日、貴殿の様な発言は、本当に腹が立ちます」としている。

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上記の文章は、産経新聞の記事http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080711/kor0807110035000-n1.htm

からの引用なのであるが、小生も拉致被害者の地村保志さん(53)の父保さん(81)と同じ意見である。

加藤紘一は、この訳の分らない発言について、日本国民にきちんと、分るように説明すべきだろう。何しろ彼の発言は、常識を完全に外れているからだ。

例えば加藤紘一が北に拉致されていて十数年ぶりに帰国できたとする。それを、日本の政治家が、拉致されていた場所に帰せと言ったのである。加藤紘一は、そのとき、その発言をした馬鹿政治家を持てる語彙をすべて使って非難するに違いない。当たり前だ。

2008年7月10日 (木)

日本経済どうなのか

昨日の続きである。クー氏は、以前にも書いたように、世界で始めて、資本主義社会では、利益追求の他に、債務返済行為が存在することを経済学に記載した人物である。この概念を追加することによって初めて、不況を正確に記載することが出来るようになった。

クー氏以前の経済学は、経済行為として利益追求のみであったために、金利を下げれば、借り手が増え、その資金を元手に利益追求を行うので、不況は改善するというもであった。ところが実際の不況は、金利をいくら下げても改善しないことが分っている。

金利を下げても不況からの脱出が不可能な状況を、流動性のワナと呼んで、日本の経済学者の中には、日本の経済不況が改善しないのは、金利をゼロなんかにしたからだといっていた人も居たのである。これをバカの一つ覚えと言う。

クー氏の提唱する債務返済行為を経済学に導入すると、不況の本態がすっきりと記述できる。つまり、経営者は、不況で資産価値が下落し、財務諸表が悪化した状態の時には、利益追求もさることながら、財務諸表を改善しようとするのである。つまり債務返済に精を出す。どんなに金利が安くても金を借りようなどとはしないのだ。

銀行には、債務返済によって資金が退蔵される。これが不況の原因であるといえる。有り余る資金が使われること無く、金庫にしまいこまれていれば、不況になるのは当たり前だ。ここで更に個人が、不況下の将来を不安に思い、預金をするとさらに消費が減退し不況が加速される。

個人も企業も資金を使わない状態、これが不況なのである。日本泡が破裂し資産価値が激減して、企業も個人も消費を控えるようになったのだから、日本に大不況が到来したのは、当たり前だ。土地と株で1500兆円もの資産が消え失せたといわれている。

ところが、日本政府は、天才であった。公共投資を徹底的に行って、銀行に集まっていた膨大な資金を政府が使ったのだ。勿論その資金は、国の借金として、800兆円ほどになっている。しかしもしそれがなされていなかったなら、1930年代の米国で見られたように、GDPを30%ほども下げ、大不況・大恐慌になっていたことだろう。

日本は泡崩壊後もGDPを下げるどころか、むしろ上げたのである。それでは現在の経済状況は、もう政府はいわゆる財政出動をしなくても良い状況になっているのか。クー氏は、それまで見られなかった、民間の借り手が現れだしているので、もう少し、つまり長期金利が上向くようになるまでは、財政出動は不可欠であろうと言っている。小生もそう思う。

まだ長期金利が低いままで、民間の資金需要が無いと考えられるこんな時期に、政府は、消費税上げ検討に入っていると表明したのだが、検討に入るのはよいものの、まだ消費税上げの時期ではないことは明らかであろう。

特に世界経済の状況が、大恐慌以来の危機的状況にある現在は、尚更、消費税上げなどしてはいけないと言うことが分る。こう断言できるのが、学問の威力である。

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